西暦1999年、堕落し、地球を破壊し続ける人間に対し、神の慈悲は尽きたとして、天使が降臨した。世界を統一し、その頂点に大天使が立ってからは、厳しい規則でもって人間を律しようとした。犯罪の駆逐、独裁政権や軍事施設の解体、環境破壊を起こす施設・物資の廃止などに加え、多くの娯楽も禁じられた。
天使統制のもと200年近くを過ごし、これ以上は天使の戒律には従えないと感じた人間は、一斉蜂起する。法術をもって戦う天使に対し、人間は知識と技術で挑むことになり、その戦いは苛烈を極めた。人間の自由を求めた戦争として、戦後その戦いは「自由戦争」と呼ばれる。
悩める人を救い、導くのが《救済の天使》であり、堕落し、驕った人を裁くのが《断罪の天使》である。《救済の天使》は総じて人に対して好意的であるのに対し、《断罪の天使》は決して人間とは相容れない。
《救済の天使》の法術は治癒、幻視など人に害をなさない。戦闘においては防御を得意とし、攻撃はほとんど行わない。《断罪の天使》の法術は攻撃に特化し、物理法則への影響も大きい。肉弾戦でも人間を圧倒する。
どちらの天使も戦時中から数の減少が続いており、現在は軍部の施設で保護されている。《断罪の天使》の多くはいまだ人間に敵対しているので、保護というよりは隔離の状態である。
《救済の天使》は戦後でも人間に受け入れられることが多く、軍ではなく教会などに保護されている者もいる。
天使が使った法術が世界の物理法則を歪めた結果、発生した新生物。発生時間、場所、生物の規模や形には規則性がない。現在研究中である。
幻想小説、空想科学小説等に登場する化け物の姿と似ていることが多く、俗に「悪魔」と呼ばれる。このことから「天使を滅ぼしたために生まれた悪魔」として人々の罪悪感を刺激する。
“悪魔”は天使を討った軍部の権威を下げるため、軍部は迅速かつ被害を抑えて法定危機生物を処分する必要がある。しかし、いまだ法定危機生物への対応方法は確立しておらず、苦戦する部隊も少なくない。
すべての天使は法力を備えており、それは目に見えない形のないものであるが、気配として感じることができる。この気配に対して、敏感な者を「法力感度が高い」という。高法力感度を持つ人間は戦時中・戦後の軍においては対天使戦力として重宝されている。
クラス | 内容 | 該当する登場人物 |
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S | 天使はすべてこのクラスに属する。 | ・リヒト |
AAA | 極めて天使に近い感度を有する。自身から半径50m以上離れた視界外に天使が存在することを把握できる。また、その数、種類の区別がつく。 | ・ジィルバ ・クラング |
AA | 自身から半径50m以上離れた視界外に天使が存在することを把握できる。 | ― |
A | 自身から半径50m未満であれば視界外に天使が存在することを把握できる。 | ― |
B | 視界に天使がいなければ存在を把握できない。攻撃的な法術に伴う法力に対し、なんらかの反応ができる(圧迫感を覚える、吐き気を感じるなど)。一般的なレベル。多くの人間はここに属する。 | ・ブルーメン |
C | 視界に天使がいなければ存在を把握できない。攻撃的な法術に伴う法力に対し何も感じない。 | ― |
この格付けは基本的に人間に対する区別であり、天使はすべてSクラスとする。法力感度が高いと言われる人間はAクラス以上に属す。
年号は西暦です。