語句

作中で登場する地名、組織名など用語についての説明です。小説ページにアカサタナ順で並べた用語集があります。

※ネタバレも含みますのでご注意ください。

語句説明

地名・建築物

イルタシア
【イルタシア】(国)
大陸の西方から西の海の島々を領土とする国。首都はホワイトガーデン。王制を敷き、国王は代々イルタスの名を継ぐ。魔術、剣術が盛んで魔術師、剣士が多く暮らしている。近隣諸国との関係は良好で、大陸の主要国家が出席するアルディラ豊穣祭にも毎年招待されている。国色は白。
ホワイトガーデン
【ホワイトガーデン】(地域)
イルタシアの首都。高台に王城ホワイトパレスがあり、その周辺は貴族の居住区となっている。
ホワイトパレス
【ホワイトパレス】(建築)
イルタシア国の王城。外観は白で統一され、また尖塔が多く、壮麗な姿となっている。内殿、外殿、表庭、裏庭、外壁から成り、外壁は五つの門を持つ。内殿は王族の居住する場所であり、王族以外は警護、近親者など認められた者しか入れず、警護以外への帯剣許可は厳しい。外殿は大広間、広間、議場、接待室、執務室、控え室等の多くの空間を持つ。表庭は賓客等が入城前に通る正面庭と、闘技場となる西庭からなる。裏庭は白薔薇の木で囲まれ、また木は迷路状に植えられている。
アシール
【アシール】(地域)
イルタシアにある村の旧名。現デブリス。フレイムの出身地である。
グルゼとう
【グルゼ島】(地域)
イルタシアに属する西の島。小さな島だが、緑が豊かで、漁業が盛ん。島民の気性は穏やか。イルタシアの大陸の港から船で二日かかる。大陸との間にある海では夏に嵐が多く発生するため、夏の間は航海が途絶える。
ガルバラ
【ガルバラ】(国)
イルタシアに隣接した国で広大な領土を持つ。東方にデル山脈が走り、南方には砂漠がある。イルタシア同様に魔術、剣術が盛んである。シェシェン、コウシュウ、ケルドなどの都市のほかに、自治区リルコ州がある。リルコ州には「聖なる森」と呼ばれる「シヤンの森」がある。国色は赤。
カルセ
【カルセ】(地域)
ガルバラにある町のひとつ。北方にデル山脈がある。ザックとフレイムが出会った町である。
シェシェン
【シェシェン】(地域)
ガルバラにある町のひとつ。
コウシュウ
【コウシュウ】(地域)
ガルバラにある都市のひとつ。平坦で肥沃な大地を持ち、農業が盛んである。ザックの養父であるシギルが暮らしている。
リルコしゅう
【リルコ州】(地域)
ガルバラにある州のひとつ。ガルバラ国教とは違う宗教を信仰しているものが多く、古くより自治区として認められている。
スウェイズ
【スウェイズ】(地域)
ガルバラのリルコ州にある村のひとつ。シヤンに隣接している。住人は少なく、のんびりと過ごしている。大魔術師ネフェイル=ホライゾが隠れ住んでいる。
シヤン
【シヤン】(地域)
ガルバラのリルコ州にある地区の名前。「聖なる森」と呼ばれる森があり、シヤニィと呼ばれる一族が暮らしている。「聖なる森」には豊穣の女神が降り立つと言われている。
アルディア
【アルディア】(国)
大陸の東に位置する豊かな国。魔術が特に発達しており、様々な研究施設がある。農業も盛んで、秋には大陸の主要国家を招いた大々的な豊穣祭が催される。人々の信仰心も厚く、国主は第一位の神官であり、住まう殿は聖域とされる。現在の国主は神器を持った女性である。国色は緑。
シンシュウ
【シンシュウ】(国)
大陸から離れた東南の海に浮かぶ島国。独自の文化を持ち、剣術が盛んである。シンシュウでは魔術は珍しい存在であり、魔術師は化け物扱いされることが多い。

種族・団体・階級

せいれい
【精霊】(種族)
人間よりも魔力との親和性が高い種族。性別を持つ者もいるが、交配はせず、神の力で生み出される。生み出した神の性質を受け継いだ属性を持ち、さらに下級、中級、上級に大別される。緑の精霊、風の精霊、火の精霊、影(闇)の精霊などがある。
きぞく
【貴族】(階級)
血統・家により社会的特権を持つ人々。イルタシアでは過去の功績により順に公、侯、伯、子、男の爵位が与えられ、家名の下につけて呼ぶ。イルタシア貴族は立国の際に功績を立てた者の子孫が多く、その家はいずれも剣術か魔術の名家である。
きんじし
【金獅子】(職業、団体)
イルタシア王室直属の剣士団。金鷹と合わせて、護衛団とも呼ばれる。優れた剣士を集めた一団であり、その戦闘能力は非常に高い。正団員と候補生からなり、正団員になるためには中級魔術を取得する必要がある。貴族である必要はないが、王城で過ごすための儀礼等を覚える必要があり、大半が貴族によって構成されている。
きんたか
【金鷹】(職業、団体)
イルタシア王室直属の魔術師団。金獅子と合わせて、護衛団とも呼ばれる。優れた魔術師を集めた一団である。正団員と候補生からなり、正団員になるためには上級魔術を取得する必要がある。貴族である必要はないが、王城で過ごすための儀礼等を覚える必要があり、大半が貴族によって構成されている。

技能・職業

まじゅつ
【魔術】(技能)
呪文、陣を用いて神界にチャンネルを開き、そこから放出される魔力を使って超常現象を引き起こす行為。チャンネルの大きさ、開く速度は各術者の魔力との親和力に寄って大きく異なる。呪文、陣はチャンネルを開くための補助材料であるため、未熟な術者ほど強力な魔術を使うために長大なものを必要とする。超常現象を術者の理想に近づけるためには術者の制御力が大きく関わる。優れた制御力を持って行われた術を「精度が高い」といい、逆は「精度が低い」という。精度を高めるための補助具も存在する。
けっかい
【結界】(技能)
魔術のひとつ。魔力を用いて作る「面」で、防御の盾や相手の侵入を防ぐ壁として使う。面は平面に限らず、湾曲を持たせることもできる。また一枚の紙のような形に限らず、糸状に伸ばした魔力を編んで作ることも可能である。他人が結界を解く場合、内側からのほうが容易である場合が多い。
ふういん
【封印】(技能)
魔術のひとつで、結界の高等応用術。術者が制御を意識せずとも、結界が自身の形を維持し続ける「自己保持」機能と、術者による魔術の供給なしでも継続する「半永久保持」機能を併せ持つ。非常に難易度の高い術で、扱える人間は少ない。
ぎじふういん
【擬似封印】(技能)
魔術のひとつで、結界の応用術。術者が制御を意識せずとも、結界が自身の形を保つ「自己保持」の機能を持った結界を指す。難易度の高い術である。
まほうけん
【魔法剣】(武器)
刀身に精霊を宿す、特殊能力を持った剣。使い手を魔法剣士と呼ぶ。宿る精霊に認められた者を「正統の使い手」と呼び、それ以外の者ではその能力を十分に引き出すことが出来ない。特殊能力を使用するためには魔力を制御する技術が求められ、魔法剣を扱うためには剣術、魔術の両方を学ぶ必要がある。また、魔法剣自体の数も非常に少なく、正統の魔法剣士は希少な存在であり、国家によって優遇されていることが多い。
まほうけんし
【魔法剣士】(職業)
魔法剣の使い手のこと。狭義では魔法剣の精霊に認められた「正統の使い手」を指す。
いしゃ
【医者】(職業)
一般に治癒専門の魔術師を指す。診療所や病院に勤めるためには、試験を受け、医師免許をとらなければならない。免許は下から中級、上級、特別級があり、下級魔術師は医師免許を得る事は出来まない。また免許を持ち、医療機関に勤める医師はその証として、特別配布される白衣を身に着けることが義務付けられている。

神器関係

じんぎ
【神器】(身体)
神界へと直接繋がる人体の部位の総称。神界へのチャンネルを開くための手順が一切必要ないため、瞬時に膨大な魔力を引き出すことが出来る。神器を持って生まれる確率は極めて低く、一部を除き、血統、出身地等には寄らない。強力な魔術の施行を可能とするため、「万の軍にも匹敵する」と言われ、その力を欲する者は多い。
しんぞう
【神臓】(身体)
血が神器の場合、神臓と呼ばれる。血液量の多い心臓を中心とするためである。母親が神臓の持ち主である場合、子どもも必ず神臓を持つといわれているが、科学的な証明はされていない。
じんつうりき
【神通力】(魔力)
神器から引き出される魔力のこと。性質上は魔力との差異はない。
しんわん
【神腕】(身体)
腕が神器の場合、神腕と呼ばれる。

事件・歴史

アシールだいかさい
【アシール大火災】(事件)
アシール村で起こった大火事。複数の民家を焼き、少数の死者が出た。昼間の火災だったため、外出している者が多く、そうでなければ被害はもっと大きかっただろうと言われている。火災は放火によるものとされ、容疑者はフレイム=ゲヘナである。